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当院のバイデジタルO-Ringテストについて |
漢方薬治療と鍼灸治療をドッキングさせて、中身の濃い東洋医学療法を 志しています。またバイデジタルO-Ringテストによって、投与しようとする 漢方薬または機能性食品が、患者さまに適合しているか、また服用量は 適量かどうかを調べて誤診や誤用を防ぎ、鍼灸治療に際してもより良い ツボを調べ、効率の良い治療を行っています。 また希望に応じて患者さまの服用されている、各種薬物や健康食品の O-Ring Testによる適性を調べて、アドバイスさせていただいています。 |
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バイデジタルO-Ringテストの料金は、テストの内容によっても違いますが、現代医学的に原因がわからない患者さまの、
病因を検索するような精密なテスト、癌の患者さまの服用されているお薬の適否や、これから服用されようとする薬や
健康食品などの適否を検索したりする、より高度なテストを行う場合は、原則として1時間につき10,000円にて
ご予算の都合は、状況により色々と相談に乗らせていただいております。
バイデジタルO-Ringテストの検査時間は平均2〜3時間は必要ですので、あらかじめ、ご承知おきください。
簡単な現在服用されている健康食品などが健康に良いかどうか??などのテスト料金は2,000円で行っています。
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スギ花粉症と鍼灸治療について |
はじめに
スギ花粉症は、近年日本人の5〜6人に1人は羅患している、と言われるくらい多く診られるようになりました。
患者は毎年、早い年だと1月初旬から3月中旬くらいまで悩まされますが、ピーク期は2月中旬から3月初旬となります。
その時期には、多くの患者が激しいアレルギー性鼻炎症状、あるいは目の炎症、咽喉の炎症まで訴えて来院、来局されます。
花粉症は、激しい炎症時期とやや慢性化した通年性のアレルギー性鼻炎症状の時期と2段階に分けて対処する必要があるので、この稿でも分けて説明させていただきます。 |
激しい炎症時期の対策 |
激しい炎症を起こしている時期の第一の対策は、目や鼻・喉の粘膜を化学的に刺激する花粉を遮断することです。 外出から帰宅したらすぐに目や鼻を塩水や水道水で洗い、うがいをする。また外出時にはゴーグルやマスクで目や鼻を守らなければなりません。 衣服に付いた花粉を室内に持ち込まないようにしたり、室内の空気の管理も大切です。 この段階の花粉症の患者には、漢方薬の使用や鍼灸治療もほとんど対症療法的、すなわち標治が中心となります。 原因に対する本治を必要としないわけではないが、まず激しい標症状を緩和してあげることが大切になってきます。
このたびは鍼灸治療を中心に記述しますので、漢方は処方名のみを少し列挙しておきます。 「越脾加朮湯(えっぴかじゅうとう)」「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」「麻黄湯(まおうとう)」「五虎湯(ごとうとう)」「大青龍湯(だいせいりゅうとう)」など、あるいはそれらの合方があげられます。 鍼灸治療では、この時期の症状は鼻水中心の陽虚寒証ではなくて、湿熱型の陽実熱証が多いので、本治は脾虚や肝虚が多く、標治は陽明大腸経、陽明胃経、肺経の瀉法が主になります。 花粉症の特効穴として、証に関係なく用いて有効なツボを挙げると以下のようになります。
1)印堂 鼻先にむけて約1cm〜1.5cm、鼻の中に響くまで水平斜刺を行う。鼻炎・鼻水・鼻閉(鼻づまり)に効果がある。
2)迎香 禾りょう(かりょう)の高さで鼻唇溝の中、両目の鼻の山根に向かって2〜3cm、水平刺を行う。角度が目に近いと目に響いて しまうため、そのような刺鍼は避ける。 鼻の中に響くのがよい。鼻炎・鼻水・鼻閉に効果があります。
3)禾りょう 鼻の穴の中心で鼻翼、鼻の穴の土手の直前、ななめ上に直刺、約0.5〜0.7cm。上歯茎の根元に向かって刺入すると、鼻 にツンと響く。印堂、迎香と組み合わせて鼻炎、鼻水、くしゃみ、鼻閉に効果がある。
4)鼻通 鼻骨下方の陥凹部、鼻唇溝の最先端に約1〜2cm、迎香から本穴に向けて突き穿刺(水平斜突)を行う。左右に刺して八の 字型になるようにして約15分、置鍼しする。
5)夾鼻 1番鍼を使用して、鼻骨と側鼻軟骨の交わるところに鼻腔骨内壁に沿って刺入。直刺して、約15分、置鍼を行う。鼻腔をつら ぬいて粘膜を破る可能性もあるので、鼻をかむと少し鼻出血が見えることがある。 乱暴に刺すととても痛いので注意。粘膜腫脹によるによる鼻閉に効果がある。
6)上迎香 眼内眥の下約1.5cm、鼻通の上約1cmのところを按押して鼻に響く方向へ、斜刺して置鍼を行う。粘膜腫脹による鼻閉に 効果がある。
7)球後 眼窩内刺鍼。眼窩の外下角部へ約2cm、単刺する。承泣と共に涙目に効果がある。眼窩内刺鍼は慣れていないと緊張する が、注意して骨と眼球の間に真っ直ぐ刺せば危険性は少ない。 ただし注意してやっても結果的に皮下出血をさせてしまい、目の周りが黒くなってしまうことがあるので、患者にはあらかじ め断っておいたほうが無難だろう。 皮下出血は乱暴に刺さない限り微々たるもので、女性ならファンデーションで充分隠せ、また出血後は通常は10日で完全 に治ります。 鍼はデスポーザブルで、太さは1.3寸1番が適しています。それより細いと鍼をまっすぐ刺していても方向が狂うことがあり、 またそれにより太い鍼はどうしても出血させてしまうことが多い。
8)咽喉点 手鍼穴で手背部の第3指と第4指の間にある中手節関節部尺側に10〜20分の置鍼、またはパルスを行う。咽喉の腫脹や 炎症に効果がある。
9)六頚椎傍 第6頚椎直側1〜1.5cmのところに、1〜2cmの直刺を行う。咽喉炎・鼻炎に効果がある。
10) 七頚椎傍 第7頚椎直側の1〜1.5cmのところに、1〜2cmの直刺を行う。咽喉炎・鼻炎に効果がある。
11)その他 顋会、上星、曲差、五処、承光、頭臨泣などへの施灸は、鼻閉に有効である。
印堂や迎香、禾りょうなどの組み合わせは、これから述べる慢性型の通年性のアレルギー性鼻炎などの鼻水やくしゃみなどにも効果的で、よく使用される経穴です。 ポタポタ、ポタポタと激しく鼻水を垂らしていた高齢の女性が、1回のこの治療でピタッと止まったことがあります。 肺虚寒証型の鼻水でした。 もちろん、湿熱型の鼻閉や濃鼻汗の青バナにも有効ですが、それらを治療するためには、しばしば本治の延長で合谷への多壮灸や、鼻の周辺の上迎香、鼻通あるいは四白に温灸をします。 温灸のやり方としては、水に浸した約1cm平方の和紙を経穴に張り付けて、その上から小豆大の灸を行う。モグサは灸頭鍼用の上質な物を用います。 直接灸用のモグサは熱力が不足するので用いないこと。粗製の温灸用モグサに直接灸用のモグサをブレンドして用いるのもよいのではないでしょうか。 この方法はいわゆるガーゼ灸と同じで、モグサが水分を吸い上げて最後までモグサを燃やしても途中で消えるため、火傷を防ぎ、ちょうどよい温度で温灸ができます。 欠点は煙のために眼や鼻が刺激されることです。 私自身、近年はほとんど温灸を用いないで、株式会社東京医研の「スーパーライザー」という直線偏光近赤外線照射器で、温灸や灸頭鍼の代用を行っています。 この治療器は煙が出ないので大変便利です。顔でもどこでも自由自在で施術場所を選ばない。また熱の浸透性が強いのでレーザー鍼治療器と同じように星状神経節に対する治療は炎症症状の改善はもとより、種々の自律神経失調症状の改善にも有効で、特に首から上の疾患には何にでも応用することができます。 |
慢性期、通年性アレルギー性鼻炎状態の時期の対策 |
専門の耳鼻咽喉科ならいざ知らず、一般的な鍼灸院や漢方薬局に訪れるのは通年性の慢性的なアレルギー性鼻炎で、ハウスダストやダニなどに反応するものが多いようです。 このような体質の人は花粉症の時期にはやはり症状が激しく現れる。鼻汁が主体になり、くしゃみや鼻閉もありますが、肺虚寒証として診断される場合が多いように思われます。 このタイプの人は花粉症の時期の激しい症状があるときにも、比較的鍼灸治療の効果が早く現れ、扱いやすい。漢方薬では小青竜湯がよく用いられます。 水が少なく、寒強い者には苓甘姜味辛夏仁湯を用い、炎症の強い者には小青竜湯に五虎湯などの石膏剤を合方するといいです。 いずれにしても、いわゆる花粉症の治療は、湿熱型・風熱型で激しい咽頭炎まで伴うような花粉症の場合や、そこまでひどい症状ではなく陽虚寒証の鼻水主体の花粉症の場合であっても、花粉症のピーク時には対症療法が主体になり、花粉症の時期が過ぎた時期に慢性化したときには原因療法を徹底的にやらなければならない。 その治療の原点については、次の項で、東洋医学的病因の考察を述べますが、一番大切なことは身体を冷やさないことです。 特に食事に注意して、冷や水を飲んだり、清涼飲料水をいつも飲んだりなど飲み物であっても食べ物であっても体温以下のものは口にしない事です。 すでに病んでいる人は、40度くらいの飲食に常にすることが重要になってきます。食べ物の種類によって身体を冷やす性質のあるものにも注意してもらうように指導を行います。 生ものや生野菜、果物、刺身などは避けたほうが良いです。詳しくは日本免疫病治療研究会会長の西原克成医学博士の研究著書を読まれることをお薦めします。 |
花粉症の原因の東洋医学的考察 |
花粉症の犯人を花粉だけだと決めつける傾向がありますが、それは少し違うと思います。近年、花粉症が増えたことからも簡単に推察できるが、花粉はきっかけに過ぎず、原因はやはり現代日本人の生活習慣に問題があるのではないだろうかと思います。 花粉症の原因を東洋医学的に考察してみます。 例えば、一年中、風邪(カゼ)を引いているような人がいます。常にじとじと汗っぽくて、すぐに風邪を引く。また、冷房や扇風機を嫌がり冬は厚着をして、いつも足が冷えると言っています。 これは、陽虚になっているわけで、肺虚であり、脾虚陽虚であり腎陽虚である。つまり根本は脾にあり、大抵は冷飲食をして中焦を冷やし、後天の元気を少なくして肺による体表の守りを悪くし、ついには脾腎陽虚となって全身の冷えが生じてしまいます。 そして体表に肺のつかさどる衛気が少なくなって表虚となって自汗、つまり汗が漏れる。鼻の粘膜も体表であるから、そこから常に汗が漏れる。つまりこれが鼻水であり、体表からの陽気の発散が悪いために気の行く場がなくなって、鼻のほうに上逆してくしゃみとなるのです。 体力のないものは陽気の発散が悪いために気の行く場がなくなって、鼻や咽の局所に熱を派生し炎症を起こします。 このような病態は主に冬に生じ、症状の軽い患者は中風(感冒)となり、重い重症患者は傷冬(インフルエンザ)となってします。慢性的な症状は鼻や咽喉に熱をこもらせると、いわゆる鼻炎や扁桃腺炎になります。 だから、鍼灸治療で陽気を巡らし、表に停留した陽気を大腸経や膀胱経、小腸経・三焦経などの陽経から適度に瀉してやれば治りますが、飲食を適正にしなければ絶対に根治しません。 これが冬に生じる風邪に由来する鼻炎の病理ですが、花粉の飛散する春先に生じる花粉症には、また別の病理があります。いわゆる花粉症は、中国の清時代に完成した「温病学説」で言われる、「温病」の風邪と考えることもできます。 温病とは、漢方薬では、石膏を中心とした清熱剤を用いることからわかるように、寒症を伴わず熱病のみに終始する春や夏の風邪です。病理としては冬期に寒があたったものが中焦に陽虚があり、表に外発できないため発病できず、春になって春の気の温にあたって発病します。 だが、脾や腎の虚があるため肝が正常に働かず、熱が皮下にとどまり、春の風の風気と熱が合わさって風熱となると言われています。 冬期に寒にあたって発病しなかったのは、とりもなおさず中寒といって腹中が冷えていたために陽気を外発できなかったためです。 それが病を持ちこしたまま春期に至るとどうなるか。つまり、春になれば春の気の発陳の作用に対応して肝は陽気を外発しなければならないのだが、冬期に寒にあたっていて腎の養生が悪く、しかも中寒があるために、春になっても春の気に適応して肝が動こうとしても、時節に応じて十分発動することができずに、陽気の発揚が不完全になって、陽気が体表に停滞して温熱を病むということが起きます。 だから、肝が春になってうまく働かない原因は、中焦の冷えにあるということになります。 これらを踏まえますと、春先の花粉症を現代医学的に花粉アレルギーだとばかり言っていないで、温病として対策すれば鍼灸で対応することができると言えるでしょう。 つまり、鍼灸治療では脾と肺をしっかり補って、かつ肝の働きが正常になるように導いていきます。 標治的には陽気の停滞した大腸経や胃経に瀉を加えて、中焦を守って冷やさないようにしながら、かつ水分の過剰摂取を節制する。熱と水分が合わさったことによる湿熱の咽喉部や鼻の腫脹を改善してやるために、利水、駆水、徐痰降痰作用のある経穴である、尺沢、欠盆、豊隆、中渚、率骨など使うとよいです。 ただし、慢性化してステロイドなど使っている者には、オ血を発生しているものも多いのでオ血に対処することも必要となってくることも付記しておきます。
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